手間ひま時間ガイド

彩りを長く楽しむ ドライフラワー入門

Tags: ドライフラワー, 花, アナログ趣味, 手作り, インテリア

スマホから離れて、花と向き合う時間

日々の忙しさの中で、ふと立ち止まりたくなることはありませんか。デジタルな情報から少し距離を置き、自分の手と五感を使って何かを生み出す時間は、心を穏やかに整えてくれます。今回ご紹介するのは、そんな「手間ひま時間」にぴったりのアナログな趣味、「ドライフラワー作り」です。

頂いた花束、庭で育てた草花、あるいは帰り道で見つけた小さな花。生花はいつか枯れてしまいますが、ドライフラワーにすることで、その美しさを長く手元に置くことができます。乾燥していく過程を見守る時間、完成したドライフラワーを飾る時間。そこには、デジタルでは味わえない、ゆったりとした豊かな時間が流れています。

ドライフラワーの魅力とは

ドライフラワーは、生花を乾燥させたものです。水分が抜けることで、色合いが深まったり、質感が変わったりし、独特のアンティークな風合いが生まれます。この変化そのものが、ドライフラワー作りの面白いところです。

完成したドライフラワーは、そのまま花瓶に飾ったり、束ねてスワッグにしたり、リースやアレンジメントの材料にしたりと、様々な楽しみ方ができます。お部屋に自然の彩りを添え、見るたびに優しい気持ちにしてくれるでしょう。

必要な道具はシンプルです

ドライフラワー作りの基本的な方法であれば、特別な道具はほとんど必要ありません。

これだけで、手軽に始めることができます。

基本の作り方:ハンギング法

最もシンプルで手軽なドライフラワーの作り方が、「ハンギング法」です。

  1. 花の下準備:

    • 花が新鮮なうちに作業を始めましょう。元気がない花はきれいに乾燥しにくい場合があります。
    • 茎についている余分な葉は取り除きます。葉が残っていると水分が抜けにくく、カビの原因になることがあります。
    • 花の種類によっては、棘なども取り除いておくと安心です。
  2. 束ねる:

    • 数本まとめて束ねる場合は、茎の根元を紐でしっかりと結びます。この時、乾燥して茎が細くなることを考慮して、少しきつめに結ぶのがポイントです。
    • 一本ずつ作る場合は、茎に紐を結びつけます。
  3. 吊るす:

    • 風通しが良く、直射日光の当たらない場所に、花を下に向けて吊るします。クローゼットの中や、エアコンの風が直接当たらない部屋の隅などが適しています。湿気の多い場所は避けましょう。
    • 花同士がくっつかないように、間隔を空けて吊るすのがきれいに仕上げるコツです。
  4. 乾燥を待つ:

    • 花の種類や環境にもよりますが、2週間から数週間で乾燥します。茎や花びらがカサカサになり、パリッとした感触になったら完成です。

焦らずに、ゆっくりと乾燥していく様子を見守る時間も、ドライフラワー作りの楽しみの一つです。

他の作り方:シリカゲル法

ハンギング法よりも花の色や形を鮮やかに残したい場合は、「シリカゲル法」を試してみるのも良いでしょう。密閉できる容器に、花全体が隠れるようにフラワー用のシリカゲルと一緒に入れる方法です。短期間で乾燥させることができ、バラやアジサイなど、水分が多くてハンギング法では色が変わってしまいやすい花にも向いています。

ドライフラワーの飾り方と楽しみ方

乾燥したドライフラワーは、そのまま束ねて花瓶に飾ったり、壁に吊るしたりするだけでも素朴で素敵なインテリアになります。

さらに、少し慣れてきたら、スワッグ(壁飾り)やリース、フレームアレンジメントなどに挑戦するのもおすすめです。グルーガンやワイヤーを使って、様々な花材と組み合わせていく作業は、まるで絵を描くように創造力をかき立てられます。自宅にある空き瓶に詰めて飾るだけでも、おしゃれな雰囲気になります。

手作り市や地域のイベントなどで、ドライフラワーを使った作品の展示販売が行われていることもあります。また、フラワーアレンジメントの教室によっては、ドライフラワーを使ったレッスンを設けている場合もありますので、同じ趣味を持つ方との交流の機会を探してみるのも良いかもしれません。

かかる時間と費用

ドライフラワー作りの作業自体にかかる時間は、花の下準備と吊るす作業を含めても、10分から30分程度とそれほど長くありません。その後は、乾燥するまで待つ時間です。費用は、使う花代と紐などの消耗品代が主になります。自宅の庭やベランダで育てた花を使えば、ほぼ無料で楽しむことも可能です。

まとめ:アナログな花仕事で心を豊かに

スマホから離れて、黙々と花と向き合い、手を動かす時間は、日々の喧騒を忘れさせてくれます。ドライフラワー作りは、生花の生命力を違う形で活かし、長く慈しむことができる、手間ひまのかかる穏やかな営みです。

特別な技術や道具は要りません。まずは一輪の花から、ドライフラワー作りを始めてみませんか。きっと、あなたの日常に、彩り豊かな癒やしの時間をもたらしてくれるはずです。