手間ひま時間ガイド

土を触る癒やし 手軽なオーブン陶芸入門

Tags: オーブン陶芸, 陶芸, 手芸, ハンドメイド, アナログ趣味

土を触る癒やし 手軽なオーブン陶芸入門

日々の喧騒から離れ、何かを作る時間に没頭することは、心を穏やかにするひとときを与えてくれます。特に、五感を使って形あるものを作り出すアナログな活動は、デジタルデバイスから離れて心身をリフレッシュするのに最適です。

今回は、自宅で手軽に始められる「オーブン陶芸」をご紹介します。特別な窯がなくても、キッチンにあるオーブンで本格的な陶芸の雰囲気を楽しむことができます。粘土の柔らかな感触を指先で感じながら、世界に一つだけの器や小物を生み出す時間は、きっと豊かな心のゆとりをもたらしてくれるでしょう。

オーブン陶芸とは

通常、陶芸作品を焼き上げるには高温の専用窯が必要ですが、オーブン陶芸用粘土は、家庭用のオーブン(160〜180℃程度)で焼き固めることができます。これにより、自宅にいながら気軽に陶芸に挑戦することが可能です。

オーブン陶芸用粘土は、乾燥させてから焼くことで強度が増し、簡単な食器や花瓶、オブジェなどを作ることができます。絵付けや釉薬風の仕上げも可能で、完成した作品を実用品として使えるのも魅力の一つです。

始めるために必要なもの

オーブン陶芸を始めるのに、大掛かりな道具は必要ありません。手軽に入手できるものがほとんどです。

作品に色をつけたい場合は、焼成後にアクリル絵の具などで着色し、ニスを塗ると水に強くなります。

手軽なオーブン陶芸の始め方(基本手順)

ここでは、簡単な小物を作る基本的な手順をご紹介します。

  1. 粘土を準備する: パッケージから粘土を取り出し、よく練ります。最初は少し硬く感じても、手の温度で柔らかくなります。気泡が入らないように、体重をかけながらしっかりと練るのがコツです。
  2. 形を作る: 作りたいものに合わせて粘土を成形します。
    • たたら作り: 麺棒で粘土を板状に伸ばし、型紙に合わせて切り抜いたり、組み合わせて箱型にしたりする方法です。皿やプレート、四角い小物入れなどに向いています。生地を指で押さえ、優しく伸ばします。まるでクッキー生地を扱うように、厚みが均一になるよう意識します。
    • 手びねり: 粘土を丸めたり、ひも状にしたりしながら、指先で形を作っていく方法です。カップやお椀、自由な形のオブジェなどに向いています。土の感触を楽しみながら、手のひらの中でゆっくりと形を育てていくような感覚です。
    • 型を使う: クッキー型や身近な容器を使って形を抜く方法です。ブローチやボタン、小さな飾り物など、同じ形をたくさん作りたいときに便利です。
  3. 乾燥させる: 形ができたら、風通しの良い場所で十分に乾燥させます。作品の大きさにもよりますが、数日から1週間程度かかることがあります。完全に乾燥すると色が薄くなり、硬くなります。ここで焦らず、じっくりと乾燥させることがひび割れを防ぐ重要なポイントです。
  4. 焼成する: 説明書に記載されている温度と時間に従い、オーブンで焼き固めます。クッキングシートなどを敷いた天板に作品を並べ、予熱したオーブンに入れます。焼いている間は粘土が焼ける香りがすることがあります。
  5. 仕上げる(必要に応じて): 焼きあがって冷めたら、必要に応じてサンドペーパーで表面を滑らかにしたり、アクリル絵の具で色をつけたりします。食器として使う場合は、食品に使用できるニスなどを塗ると安心です。絵の具を塗る作業は、まるでキャンバスに絵を描くように、作品に最後の命を吹き込むような楽しさがあります。

オーブン陶芸を楽しむコツと発展性

まとめ

スマホから離れ、土の感触に触れながらものづくりに没頭するオーブン陶芸の時間は、忙しい日常に心穏やかなひとときを与えてくれます。特別な準備は不要で、自宅で気軽に始められるのが大きな魅力です。

土を練り、形を作り、焼き上げるという一連の作業を通じて、五感が研ぎ澄まされ、集中力が高まるのを感じるでしょう。そして、自分の手から生まれた作品を手に取った時の喜びは、何物にも代えがたいものです。

ぜひ、オーブン陶芸の世界に足を踏み入れて、自分だけの手仕事の時間を楽しんでみてください。