手間ひま時間ガイド

ふっくら手ごねパン作り 手軽な始め方

Tags: 手ごねパン, パン作り, 手作りパン, 趣味, 初心者

手ごねパン作りで心満たされる時間

日々の忙しさに追われ、ついついスマホを手に取る時間が増えていませんか。デジタルな情報から少し離れて、自分の手だけを使い、ひとつのものを作り上げる時間は、心をふっと軽くしてくれる特別なひとときです。「手間ひま時間ガイド」では、そんなアナログな活動の魅力をお伝えしています。

今回は、粉と水というシンプルな材料から、ふっくらとした美味しいパンを生み出す「手ごねパン作り」をご紹介します。オーブンから漂う香ばしい香り、焼きたてを味わう喜びは、手作りならではの格別のものです。

手ごねパン作りの魅力とは

パン作りというと難しそう、特別な道具が必要そう、と思われるかもしれません。しかし、実は手ごねパン作りは、基本を覚えれば自宅で手軽に始められます。生地の感触を指先で感じながらこねる作業は、無心になれる心地よさがあります。生地がなめらかに変化していく様子、イーストの力でぷっくりと膨らんでいく過程には、まるで生き物を育てているかのような発見と感動があります。

また、パン作りは時間とともに変化していく工程を楽しむ活動です。発酵を待つ間、焼き上がりを待つ間など、ゆったりと流れる時間の中で、慌ただしさから離れて静かに過ごすことができます。

手ごねパン作りに必要なもの

手ごねパン作りに必要なものは、驚くほどシンプルです。

ミキサーなどの特別な機械がなくても、自分の手があればパン作りは始められます。

基本的な手ごねパンの作り方(シンプル編)

ここでは、最も基本的な丸パンの作り方をご紹介します。

  1. 生地を作る: ボウルに強力粉、ドライイースト、砂糖、塩を入れ、泡立て器などで軽く混ぜ合わせます。中央にくぼみを作り、そこにぬるま湯を注ぎ入れます。粉っぽさがなくなるまで、ゴムベラや手で混ぜ合わせます。
  2. こねる: 生地を台の上に出し、手でこね始めます。最初はベタつきますが、根気強くこねていくと、だんだん生地がつながってきます。手のひらの付け根を使って、生地を台にこすりつけるように向こう側に押したり、折りたたんだりを繰り返します。生地がなめらかになって薄く伸ばしても切れにくくなったら、無塩バターを加えてさらにこねます。バターが生地になじみ、表面がピンと張るようになればこね上がりです。
  3. 一次発酵: 生地を丸くまとめ、薄く油(分量外)を塗ったボウルに入れます。乾燥しないようにラップや濡れ布巾をかけ、暖かい場所(30℃くらい)に置きます。生地が元の大きさの2倍程度になるまで、約60分から90分ほど発酵させます。生地が膨らむ様子を見るのは、手ごねパン作り最大の楽しみの一つです。
  4. ガス抜き・分割・成形: 発酵が終わった生地を台に出し、優しく押さえて中のガスを抜きます。生地をスケッパーで作りたいパンの個数に分割し、それぞれを丸め直します。このまま10分ほど生地を休ませます(ベンチタイム)。休ませた生地をもう一度優しく丸め直し、オーブンシートを敷いた天板に並べます。
  5. 二次発酵: 成形した生地に乾燥しないようにラップなどをかけ、暖かい場所(35℃くらい)に置きます。生地が再び1.5倍程度に膨らむまで、約30分から40分ほど発酵させます。ふっくらとした生地を見ると、焼き上がりが待ちきれなくなります。
  6. 焼成: オーブンを予熱します(180℃〜200℃)。発酵が終わった生地をオーブンに入れ、焼き色がつくまで12分〜15分ほど焼きます。オーブンの中でパンがさらに膨らみ、きつね色になっていく様子は見ていて飽きません。

手ごねパン作りの楽しみを深めるコツ

生地をこねる際は、力を入れすぎず、生地と対話するように優しく扱うのがコツです。最初はうまくいかなくても、回数を重ねるごとに生地の状態がわかるようになります。

シンプルな丸パンに慣れてきたら、レーズンやくるみを加えたり、あんこを包んであんぱんにしたりと、様々なアレンジに挑戦できます。成形の仕方を変えるだけでも、食感や見た目が変わり、楽しみが広がります。

焼きたてのパンをちぎって食べる幸せは、何物にも代えがたいものです。この焼き立ての美味しさを、大切な家族や友人と分け合うのも素晴らしい時間になります。手作りのパンを通じて生まれる温かい交流もまた、アナログな趣味の素敵なところです。

まとめ

手ごねパン作りは、デジタル機器から離れ、五感を使い、手間ひまをかけることで心を満たすことができるアナログな活動です。生地をこねる手仕事、発酵を待つ静かな時間、そしてオーブンから漂う香りと焼き上がりの喜び。すべての工程が、日々の喧騒を忘れさせてくれる心地よいリフレッシュになります。

特別な道具は必要ありません。まずはシンプルな材料とご家庭の道具で、ふっくら手ごねパン作りに挑戦してみませんか。きっと、心穏やかで豊かな時間を過ごすことができるでしょう。